トヨタ86 第2世代TE47型TE61型TE65型 レビンとトレノGTは、排ガス規制の荒波に揉まれ、一旦75年11月に借しまれつつ姿を消して行きました。

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ここでは、トヨタ86(AE86)に至るまでの歴史と現代の車種についてまとめて行きたいと思います。
今回は第2世代の車種を調査いたしました。

71ba19722b2e67bd90eb20d1c24849c1_s出典:http://www.photo-ac.com/

排ガス規制にもまれながら生き残った2T-G

レビンとトレノGTは、排ガス規制の荒波に揉まれ、一旦75年11月に借しまれつつ姿を消して行きました。しかしそれから14カ月後に、レビン/トレノの名を冠したFRライトウエイト・スポーツが復活しました。

マイナーチェンジを機に、レビンの2ドアHTが消滅し、スプリンター・トレノをベースにしたクーペボディが与えられたのです。これは76年1月に登場したカローラLB(リフトバック)のフロントマスクを、スプリンター・ク一ペのボディに組み合わせたものです。また、ベーシック仕様のレビン/トレノとラグジェアリー仕様のGTの2モデル構成となり、カローラLBにも2T-GEU型をドッキングしたスポーツワゴン、カローラLB1600GT(スプリンターも同様)が設定されています。

エンジンは電子制御燃料噴射EFIを装備した2T‐GEU型DOHCです。排ガス対策を施しながら、かつての2T‐GR型並みの性能を実現しています。

最高出カ110PS/6000rpm、最大トルク14.5kgm/4800rpmを発生し、ゼロヨン加速も16.5秒を可能にしました。当時の2000ccモデルを上回る実力と言われています。

排ガス規制とオイルパニックによって走る楽しみが乏しかった時期、若者に夢を与えてくれたのが2代目のカローラ・レビン&スプリンター・トレノと言う訳です。 1

TE27の誕生

カローラとスプリンターのクーペにセリカ1600GTに搭載されていた2T-Gというエンジンを組み合わせたバージョンとして1972年3月、TE27という型式でレビンとトレノが誕生しました。2T-Gは1600ccのDOHCでソレックスキャブを装着し、115馬力を発生する高性能エンジンで、元々一回り大きいセリカに搭載するために開発されたものです。 2

TE27の搭載エンジンは?

スプリンタートレノ2代目のTE47型は、TE27型に引き続き、2T-G型/2T-GR型エンジンを搭載ています。しかしながら車両重量が60kg増加したのが響いて、TE27型に比べると運動性は下がってしまったのです。 3

2T-G型/2T-GR型エンジンの豆知識

2T-Gのシリンダーブロック自体は殆ど2Tエンジンと変わらず、違う点と言えばカムシャフトを回すためのタイミングチェーンが、OHV時代にあったカムシャフト位置から、さらにシリンダーヘッドに2段掛けで延びている点など少々の変更点だけです。 4

こうして、若者を虜にした2T-G型エンジンは、昭和51年排ガス規制が実施されるまでレビン・トレノの歴史が途絶えることはなかったのです。

第2世代(前期)TE47型(1974年 – 1975年)

トレノとしてはじめてのフルモデルチェンジです。
歴代モデルの中で唯一このモデルのみ、レビンとトレノのボディ形状が異なっているのが特徴と言えます。
エンジンはTE27型に引き続き2T-G型/2T-GR型エンジンを搭載しています。

TE27型と比較してホイールベースが35mm延長され、さらに車両重量が60kg増加してしまったため、TE27型ほど強いスポーツ性を発揮することができなかったことが残念といえます。また、1975年、2T-G型/2T-GR型エンジンが昭和50年排出ガス規制非対応のため生産を中止したのに伴いこのモデルは一旦廃止となり短命に終わりました。 5

第2世代(中期)TE61型(1977年 – 1978年)

トレノと同時にスプリンターのリフトバックにも2T-G型エンジンを搭載し、「1600GT」を名乗っており、型式はトレノと同一のTE61です。 6

第2世代(後期)TE65型(1978年 – 1979年)

型式は変わっているが外観はTE61型と大差はありません。
しかし、車両重量はTE27型を110kg上回り965kgとなったうえ、年を追うごとに強化される排出ガス規制の煽りを受け、TE27型のようなスポーツ性とは違うものになってしまいました。 7
時代の流れというのは残酷なものです。しかし、86が生き乗るためには仕方のない選択だったのでしょう。